愛知県の死者数 最大2万7,000人
6月2日の中日新聞1面に、「南海トラフ 愛知 死者最大2万7000人」という見出しが掲載されました。
この数字に驚かれた方も多いのではないでしょうか。
しかし、防災・減災の第一歩は、大きな数字を「自分たちの町のこと」として捉えることです。
そこで今回は、愛知県や刈谷市の被害想定を、小垣江町・荒井町に置き換えて考えてみたいと思います。
まず、この数字を過去の大震災と比較すると、次のようになります。
| 地震 | 発生年 | 死者数 |
|---|---|---|
| 関東大震災 | 1923年 | 約105,000人 |
| 阪神・淡路大震災 | 1995年 | 6,434人(関連死含む) |
| 東日本大震災 | 2011年 | 約22,300人(死者・行方不明者) |
| 熊本地震 | 2016年 | 約270人(関連死含む) |
| 令和6年能登半島地震 | 2024年 | 約550人(関連死含む) |
| 南海トラフ巨大地震(全国想定) | ― | 約298,000人 |
| 南海トラフ巨大地震(愛知県想定) | ― | 約27,000人 |
南海トラフ巨大地震では、愛知県だけで東日本大震災を上回る方が亡くなる可能性があると試算されています。
また、愛知県の想定死者数2万7,000人は、全国想定約29万8,000人の約9%にあたります。
刈谷市の死者数
同紙3面には、市町村別の震度と死者数が掲載されています。
刈谷市の最大震度は7、死者数は約300人と試算されています。
刈谷市の人口は約15万人です。
一方、小垣江町・荒井町には合わせて約1万5,000人が暮らしており、刈谷市全体の約1割を占めています。
人口比で単純に換算すると、小垣江町・荒井町では約30人に相当します。
もちろん実際の被害は地域の地形や建物の状況によって異なりますが、被害を身近なものとして考えるための一つの目安になるのではないでしょうか。
刈谷市の全壊・焼失棟数と死者数内訳
同紙12面(県内版)には、市町村別の全壊・焼失棟数と死者数内訳が掲載されています。
刈谷市の想定は次の通りです。
- 全壊・焼失棟数:8,600棟
- 建物倒壊による死者:約200人
- 浸水・津波による死者:約20人
- 火災による死者:約40人
これを人口比で単純に換算すると、小垣江町・荒井町では次の規模に相当します。
- 全壊・焼失棟数:約860棟
- 建物倒壊による死者:約20人
- 浸水・津波による死者:約2人
- 火災による死者:約4人
刈谷市の世帯数は約7万世帯、小垣江町・荒井町の世帯数は約7,000世帯です。
仮に860棟が全壊・焼失するとすると、
860 ÷ 7,000 ≒ 12%
となり、
およそ8軒に1軒が全壊または焼失する計算
になります。
なお、小垣江町・荒井町は市内でも津波浸水が想定される地域であり、津波による影響は刈谷市平均より大きくなる可能性があります。
では、どうするか?
このような被害想定は、住民に恐怖や不安を与えるためのものではありません。
試算された数字を自分事として捉え、一人ひとりが減災につなげることが目的です。
そのため、市や県の被害想定を、小垣江町・荒井町に置き換えて考えてみました。
中日新聞の記事でも、「2014年に行われた試算に比べ、死者数が大きく減っていないこと」が課題として指摘されています。
名古屋大学の福和伸夫名誉教授は、
「国や県は約10年前に死者数を8割減らし、家屋被害は半減させるという目標を設定したが、未達成のままだ」
と述べています。
想定被害は、何もしなかった場合の最悪のケースです。
建物の耐震化、家具の固定、家庭での備蓄、そして早めの避難。
一つひとつは小さな備えですが、その積み重ねが被害を減らし、大切な命を守ります。
自主防災会としても、今後「地区だより」や自治会ホームページを通じて、防災・減災につながる情報を発信していきます。
できることから、一緒に備えていきましょう。
新聞記事の元になっている、愛知県の公表資料は👉こちら
(文責:自主防災会 稲田)