ここでは、災害発生時に行う安否確認の方法と、避難行動要支援者1に対して行う、「ご近所お助け避難計画」について、その意義と具体的な実施方法について解説します。
なぜ安否確認が必要か?
自治会に加入いただいている皆さんにおかれましては、
例年9月初旬に「地区一斉安否確認訓練」を実施しています。
しかし今の時代、なぜそのような活動が必要なのでしょうか。
頼るべきは、ご近所さん
南海トラフ地震など大災害発生時は、
警察や消防などの公共機関に通報しても、
救助が期待できません。
なぜなら、公共機関の職員さんも、
我々と同じ地域に住む”被災者”だからです。

一刻を争う安否確認
発災時は、白布確認隊員が各戸の安否確認に回ります。
白布があると、外から一目で無事と分かり、
より早く多くの人の安否を速やかに確認できます。

速やかな救助につなげる!
安否が確認できない場合、組役員、近所の方が救助に向かいます。
同時に、災害対策本部を通じて、救助要請をします。
下図は阪神大震災において、「誰に助けられたか?」調査した結果です。
救助隊に助けられた人は2%以下であり、そのほとんどが近所の方に助けられたのです。
正に「近助」の力と言えましょう。

安否確認の実施方法
4コマ漫画による概要説明
1.地震発生、各自安全確保
→ 家族の安否確認
- 何よりもご自身の身の安全を確保して下さい。
- 家族の安否を確認して下さい。
- 安全ならば、玄関先に白布を掲示して下さい。
- 代表者は一時避難場所に向かって下さい。

2.班長は名簿を持って、一時避難場所へ。集まった住人を確認する。
- 班長はご自身の安全、家族の安全を確保して下さい。
- 安全ならば、班員名簿(玄関先に常備)を持って、一時避難場所に向かって下さい。
- 集まった住人の点呼を行います。

3.前班長(白布確認隊)は、地図付き名簿を持って、班内の各戸を回る。
- 前班長はご自身の安全、家族の安全を確保して下さい。
- 安全ならば、地図付き班員名簿(玄関先に常備)を持て、班員各戸を回って下さい。
- 玄関先に白布が掲示されているか否か、確認して下さい。
- その際、「要支援者(地図上に★マーク)」には、声掛けをして、安否を確認して下さい。この活動を、当自主防災会では「ご近所お助け避難計画」と呼びます。

- 要支援者がおらず、白布が出ている場合は、速やかに次の家に向かいましょう。
- 白布掲示が無い場合、「大丈夫ですか!」と声を掛け、安否を確認して下さい。
- 前班長は、自身の安全を第一とし、一人で無理をしないようにして下さい。
- 班員全員の安否が確認できたら、一時避難場所に向かい、班長に報告して下さい。
4.前班長は救援要請。班長は、班員を救助に向かわせる。
- 前班長は、一時避難場所にて、班長に現状を報告して下さい。
- 救助が必要な家があった場合、班長は一時避難所に集まった人たちを救助に向かわせて下さい。
- 無理をせず、安全を確保して救援して下さい。
- 班長は、地区委員に速やかに連絡して下さい。
- 地区委員は、防災無線にて、災害対策本部に救援を要請して下さい。

👉 一枚にまとめた漫画はこちら
地図付き班員名簿
班長、前班長が使用する、地図付き班員名簿を現在作成中です。
要支援者には★マークを付けてあります。
細かいルール
- 足が不自由だったり、介護するべき人が居る場合、一時避難場所に行く必要はありません。安否確認は、白布掲示にて完了とします。
- 白布は、平常時より玄関先に準備しておいて下さい。「避難所登録票」も合わせて準備しておくと安心です。
- 白布は「この家屋の家族は無事」という印です。在宅避難をする場合や、避難所に向かう場合でも、白布はそのままにしておいて下さい。(訓練時は白布を回収して下さい)
- 発災時、班長、前班長が在宅であるとは限りません。安否確認の方法については、家族の方も理解しておき、不在時はご家族が対応して下さい。
- 班員の方は、班長、前班長のお宅を把握しておき、当該家屋に問題があった場合は、支援をお願い致します。
- 班長・前班長は、班員名簿を玄関先に常備して下さい。いざと言うとき使えなければ、意味がありません。個人情報につき、取扱いに注意して下さい。
- 前班長が用いる「地図付き班員名簿」において、「要支援者宅」には★印が付けられています(プライバシー保護の観点から、障害の程度などは記載しておりません)。
- 原則、前班長=白布確認隊員としますが、止む負えぬ事情により、その任務が果たせない場合は、組長/屋敷総代と相談して、別の方を立てて下さい。
前述の漫画は、「家族全員が自宅に揃っている、昼間に発災した」という絵になっています。
しかしながら、深夜や荒天時に発災することもあり、
本方法は、それら不測の事態に全て対応できるものではありません。
種々の状況に思いを巡らし、懐中電灯やヘルメットなどの準備もお願い致します。
実施例
本方式については、小垣江地区全土に展開する前、R7年度 東竜組にて先行実施致しました。
以下、導入に至った経緯と効果について述べます。
導入した動機
なぜ本方式に変更したかと言えば、以下のような問題があったからです。
- 従来方法だと、
白布を掲示できていない世帯 = 異常発生世帯の発見が遅れる。 - 歩行困難な方などが、一時避難場所に行くことが出来ない。
さらに自主防災会として、「災害時避難行動要支援者」の方々に何が出来るか?
という問題が持ち上がりました。
本方式によれば、要支援者に速やかに声掛けが出来ます。
「遠くの親戚より、近所の他人」なのです。
そこで、これを「ご近所お助け避難計画」と呼ぶことにし、
安否確認活動と一体化することにしたのです。
得られた効果
その効果は以下のようになりました。他組に比べると全世帯数が少なく、面積も狭いのですが、明らかな効果が得られました。
| 世帯数 | 参加者 | 白布掲示 | 避難所登録票 記載 | 避難所登録票 持参 | |
| R6年度(旧方式) | 78 | 55 (70.5) | 61 (78.2) | 52 (66.7) | 52 (66.7) |
| R7年度(本方式) | 82 | 70 (85.4) | 78 (95.1) | 68 (82.9) | 68 (82.9) |
しかしながら、本方式で実施するにあたり、周到な事前準備を行いました。
まず組長/地区委員間で何度も摺合わせを行い、班長に説明を行って、協力をいただきました。
また、班員全員に向け、説明会も行い、その他の防災情報もお伝えしました。
その結果、上記のような成果が得られたのです。東竜組の皆さまのご協力に感謝致します。
- 避難行動要支援者:災害時に自力で安全な場所へ避難することが困難で、他者の支援が必要な人々。刈谷市小垣江地区には約600名の方が対象となっており、うち、各自治会への情報提供を許諾された方が約440名おられます。親族が傍におられる方と、そうでない方がおられ、特に後者の方においては、特別な配慮が必要となります。 ↩︎